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3月のライオン18巻レビュー|羽海野チカさんが描く成長と対局の新章

レビュー🎞️📗

漫画家 羽海野チカ による代表作 3月のライオン(さんがつのライオン)シリーズの最新刊、18巻を読了しました。本記事では、シリーズ全体の流れを振り返りながら、本巻がどのような位置付けにあるか、またその魅力をネタバレを控えて解説します。

1. シリーズ全体の流れと本巻の位置づけ

「3月のライオン」は、17歳のプロ棋士・桐山零(きりやまれい)が、将棋の世界で自分自身と向き合いながら成長していく物語です。家族を失った少年が、川本家や駒橋高校、ライバルや師匠との関わりを通じて、将棋という世界だけでなく“人”としても歩みを進めていきます。

18巻は、そのシリーズの中でも「獅子王戦への挑戦」「零と師匠・対局相手との関係」「日常と将棋の交錯」が一層深まる巻となっています。特に零の成長の節目とも言える展開が描かれており、物語が次のフェーズに入る手応えを感じさせてくれます。

2. 本巻18巻のあらすじ概要(ネタバレ控えめ)

18巻では、零が「獅子王戦」出場を左右する重要なトーナメントに臨む中で、師匠である島田や、これまでとは異なる重みを帯びた対局や環境が描かれます。同時に、零の心情や日常生活、三日月堂の仲間たちと過ごす時間が“将棋だけではない”大切な要素として浮かび上がります。

この巻は、将棋盤の駒を動かすだけでなく、駒を動かす者たちの思いや人生そのものが動いていくことを強く感じさせてくれる構成です。読んでいて、「勝負の行方」以上に「これまでの時間とこれからの時間」が胸に迫ってきます。

3. 主な見どころと魅力的なポイント

3-1. 将棋と人生が重なり合う瞬間

このシリーズ最大の魅力は、将棋そのものだけでなく、その裏にある人間模様や日常ドラマを丁寧に描いているところです。18巻でも、対局の緊張・勝負の重み・そして勝っても負けても残るもの――それらが“駒”の一手一手と同期して描かれています。

3-2. 零の成長と揺れ動く心

零は既にプロ棋士として一定の実績を積んでいますが、本巻では「これからどう生きるか」「どんな音を立てて社会に立つか」という問いとぶつかっています。技術だけではなく、人としての在り方に向き合う姿が胸を打ちます。

3-3. 島田・師弟関係の深化

零の師匠・島田の存在がこの巻ではより強く描かれ、その対局・研究・暮らしの背後にある“覚悟”と“蓄積”が見えてきます。師と弟子の関係が、勝負を超えて人と人としても成り立っていることを感じさせる場面が印象的です。

3-4. 日常の温かさと対比される緊張感

三日月堂の屋台、零を支える川本家の姉妹、仲間とのごく普通の日々――。それらが、将棋の舞台での緊張感と対比されることで、物語に厚みが出ています。18巻でも日常の“呼吸”がきちんと描かれているからこそ、勝負の場面がより際立って見えるのです。

4. ネタバレにならない範囲での象徴的な場面

18巻では、零が出場するトーナメントが本格化し、対局の前後で“待つ時間”や“盤外の出来事”が丁寧に描かれます。対局の流れだけでなく、その前の“研究”や“準備”、そして“帰り道”や“食事”といった小さな瞬間も、棋士の心を映す鏡として機能しています。

また、島田が抱えるもの、零が背負うもの、そして川本家の姉妹たちがもたらす安心や包容。それらが絡み合って、勝負と人生が交差する瞬間が訪れます。読者として「この場面で静かに息を飲んだ」という方も多いのではないでしょうか。

5. 本作ならではの魅力と読みどころ

  • 将棋というテーマを通して描かれる“孤独”“向き合い”“共鳴”という普遍的なテーマ
  • 絵の線が静かに動き、コマの余白が感情を語る、羽海野チカの画力と演出力
  • シリーズを追うごとに成長していくキャラクターたちの現在地がしっかり描かれている
  • 勝負の緊張・日常の安らぎ・家族/仲間の関係性がバランスよく配置されている
  • 18巻という節目にふさわしい“区切り”と“これから”の入り口を感じさせる構造

6. 注意しておきたい点

もちろん読者によって好みや感じ方は異なりますが、以下の点を留意して読むとより楽しめるかもしれません:

  • 将棋の専門用語や盤上の戦略描写が出てくるため、将棋がはじめてという方には少し“とっつきづらさ”を感じる場面があるかもしれません。
  • シリーズの流れをある程度知っている方が、人物の変化や背景の意味をより深く味わえます。初めて読む方は前巻までをざっと振り返るのがおすすめです。
  • 物語が複数の登場人物の視点や時間軸で動いているため、“誰が何を想っているか”を意識すると読みこなしやすいです。

7. 私の感想とおすすめポイント

18巻を読了して真っ先に感じたのは、「将棋というゲームを超えて、人間同士のつながりや人生の選択が描かれている」ということです。零の指す一手は、盤上だけでなく“その先”を見据えているように見えました。

特に印象的だったのは、静かな表情や間(ま)の演出、そして“勝敗”以上に“どう生きるか”という問いが滲み出ている点です。勝負の場で鳴る鐘の音、聞きなれた屋台のざわめき、友との何気ない会話――それらひとつひとつがこの作品では“音”として響いてきます。

物語が好きな方、成長譚が好きな方、日常と勝負が交錯する作品を探している方には、自信をもっておすすめできます。また、将棋がテーマという敷居を感じる必要はありません。「人の心を見る」物語として読むことも十分に楽しめます。

8. 次巻への期待と展望

18巻を読んで、大きな変化の潮目を感じました。これまで“駒を動かすこと”を主に描いてきた物語が、これからは“駒を動かす者たちの人生”をさらに深掘りしていくように思えます。次巻では:

  • 獅子王戦という大舞台での零の立ち位置の明確化
  • 島田・師弟として、また一人の棋士としての葛藤の展開
  • 川本家や三月町の人々とのつながりがさらに物語に影響を与える
  • 盤上だけでなく、盤外の時間・心・選択が描かれる比重が高まる

そんな未来が目に浮かび、読む手が止まりません。

9. どんな人におすすめか?

以下のような方には特におすすめです:

  • 青春・成長物語が好きな方
  • 将棋というテーマに興味を持ちつつも専門知識にとらわれたくない方
  • 日常の喧騒と静けさ、その中にある“戦い”を描いた作品を探している方
  • 人とのつながり・家族・仲間の支えが描かれた作品を好む方

10.まとめ

「3月のライオン18巻」は、シリーズの魅力を改めて凝縮しながら、次のステージへと物語の舵を切る巻です。棋士としての零だけでなく、彼を巡る世界全体の“音”と“リズム”が少しずつ変わっていくのを感じさせてくれます。

このレビューが、あなたがこの作品に触れるきっかけになれば嬉しいです。将棋を知らなくても、ぜひページをめくって“零の世界”に入り込んでみてください。

Written by Tacoyakimix

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